理系学生の「志望動機」が重視される理由

💡 人事がチェックする志望動機の「深さ」
理系学生は専門性が高いため、「技術が好きだから」だけで終わる志望動機が多く見られます。

しかし、人事が本当に知りたいのは以下の3点です。
– 論理性と一貫性：過去の研究や経験が、なぜその会社・職種につながるのか
– 企業理解：競合ではなく、なぜ「この会社」なのか
– 入社後の貢献：あなたの知識・スキルがどう事業に役立つのか

本記事では、この「深さ」を表現するための、理系学生が使うべき3つの志望動機の型を解説します。

ステップ1：志望動機作成の基本フレームワーク「W-W-H」を理解する

志望動機を書くときは、まず以下の3つの問いに答えることが重要です。

✅ W-W-Hフレームワーク
– Why Me?（自己理解）
過去の経験から、あなたは何を成し遂げたいのか（自分の軸）
– Why The Company?（企業理解）
その目標を達成できるのが、なぜこの会社なのか（会社の魅力）
– How I Contribute?（貢献意欲）
入社後、どのように貢献し、目標を達成するのか（入社後のビジョン）

この中でも特に重要なのが、「Why The Company?」を説得力を持って語ること。
そのために使えるのが、次の「3つの型」です。

ステップ2：説得力が劇的に増す「志望動機の3つの型」

理系学生は、自分の関心に最も近い型をメインに据えると、志望動機が一気に強くなります。

①【技術型】技術の革新性と深度に共感する
✅ こんな人に向いている
– 研究テーマが応募先の基盤技術・最先端技術に近い
– 特定の技術課題を解決したいという強い動機がある
✅ 構造
– 導入：研究で感じた技術的な限界・課題
– 接続：企業の独自技術（例：〇〇技術）がその限界を突破する鍵だと感じた
– 結論：自分の知識（例：流体力学）を活かし、その技術を△△領域へ進化させたい

② 【製品・課題解決型】社会への影響力に共感する
✅ こんな人に向いている
– 技術そのものより、製品が社会に与える価値に惹かれる
– 社会課題の解決に関心がある
✅ 構造
– 導入：大学や社会で感じた課題（例：医療現場の非効率性）
– 接続：企業の〇〇製品・サービスが最も現実的な解決策だと感じた
– 結論：研究で培った分析力（例：シミュレーション）を活かし、利用者目線で改善・展開に貢献したい

③【組織・風土型】成長環境と文化に共感する
✅ こんな人に向いている
– 若手裁量・部署連携・挑戦文化など「働き方」に魅力を感じる
– チーム研究や課外活動で価値観が形成された
✅ 構造
– 導入：研究や活動を通じて重視するようになった価値観（例：部署間の壁の低さ）
– 接続：OB訪問や説明会で感じた企業の風土（例：挑戦を推奨する文化）
– 結論：その環境で専門性を活かし、他部署と連携しながら組織全体に貢献したい

ステップ3：志望動機を最強にする「3つの実践テクニック」

① 専門用語を「強み」に変換する
研究内容をそのまま書くのではなく、スキルの証拠として翻訳するのがポイント。
– 研究経験：シミュレーション
→ 強み：複雑な事象を予測し、最適解を導く力
– 研究経験：実験失敗からの再挑戦
→ 強み：予期せぬ課題に対し、論理的に解決策を見出す粘り強さ

② 「具体的な行動」と「固有名詞」を盛り込む
抽象論を避けるために、必ず入れるべき要素。
– OB訪問で〇〇さんから聞いた
– 貴社の特許技術Aの論文を読んだ
– 工場見学で△△工程を見て感動した

③「貢献」を具体的に言語化する
志望動機の最後は、入社後に何を成し遂げたいかで締める。
– ✅ 良い例
「入社後は、製品の耐久性を10%向上させる素材開発プロセスに、私の分析化学の知識を活かしたいと考えております。」

まとめ：志望動機は「愛の告白」ではなく「提案書」である

志望動機は、企業への熱い想いだけでは不十分です。
「私は御社に〇〇という価値を提供できます」という論理的な提案書であるべきです。

理系学生の皆さんは、研究で培った論理的思考力を最大限に活かし、3つの型のうち最も強いロジックで志望動機を構成してください。

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