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2017/2/13 UPDATE

  • Interview

上流から下流までの経験が自信に。次々に視野が広がっていく喜び――第一線のエンジニア対談

企業が使うシステムには、さまざまなレイヤがある。ハードウェア、ミドルウェア、アプリケーション。中でも最もユーザーから見えやすいのがアプリケーションだ。顧客からの要望を実現させなくてはならない難しさはあるものの、評価が得やすいというやりがいもある。開発を担うエンジニアたちは、どんな経験から学びを得ているのだろうか。
幾多に渡る東京海上グループの情報システムを一手に担う東京海上日動システムズ。システムの企画、提案、設計、開発、保守、運用といったフェーズの中、それぞれが連携をとり、質の高いITサービスを提供している。中でも、主に開発を中心に担当しているお二人に、プロジェクトの内容ややりがい、理系学部出身者の可能性などを聞いた。


[ PROFILE ]

吉原洸平(よしわらこうへい)
1988 年生まれ。大学では教育学部教育人間科学部にて、スポーツ心理学やスポーツ整理学、解剖学、指導論などを学ぶ。大学院では自然科学工学科にて、スポーツ科学をバイオメカニクス的な観点で捉える研究に勤しむ。2013 年に東京海上日動システムズ株式会社へ入社。アプリケーション開発や、新人研修の講師を経験し、現在のプロジェクトでは開発リーダーを担当。

渡辺静(わたなべしずか)
1991 年生まれ。大学では化学を専攻し、中国産植物の交配や進化の過程を研究。就職活動の最中、「ものづくり」に興味が生まれ、IT エンジニアの道へ。2014 年に東京海上日動システムズへ入社。アプリケーション開発部にて、複数のプロジェクトを経験。現プロジェクトでは、システム構造設計からテストまでの工程を担当。新入社員の教育も担っている。


実はドキュメントなどの標準ルール作りが大切

――現在関わっているプロジェクトの内容を教えてください。

吉原洸平さん(以下、吉原) 東京海上日動の30年間稼働し続けている代理店さん向けシステムの再構築を担当しています。昨年の10月からスタートしており、現在は一部の代理店さんに先行して使っていただいているところです。プロジェクトの人数は、協力会社も入れて60〜70人くらいでしょうか。私は開発チームのリーダーを担当しており、8人のメンバーをまとめる立場です。

渡辺静さん(以下、渡辺) 私が担当しているプロジェクトも、システムの再構築です。東京海上日動が法人向けの経営サポートとして提供しているウェブサービスで、実際に使うのは一般企業の方となります。弊社の他部署で要件の立ち上げ、要件定義などを進めた後、私たちが参画し、SSと呼ばれるシステム構造設計から、STとばれるシステムテストまでを担当します。
SSからSTまでは約半年を予定しています。

――現在のプロジェクトで、苦労した点はありましたか。

吉原 正直、難しいことだらけです。まず、システム開発をどういう手法で進めるかという検討段階からスタートしました。開発生産性を上げるため、米国企業のパッケージを導入することになりましたが、日本での導入事例がほとんどない状況でした。
事例やノウハウは検索をしてもまず出てきませんし、社内の有識者もいません。トライアンドエラーを繰り返しながら進めていきました。国内のサポートセンターに連絡してもなかなか回答がもらえず、米国のサポートセンターにメールで問い合わせることもしばしば。それでも求めている答えが得られず、何度もやりとりする羽目になったりしましたね。それでも、海外とやりとりをするのはよい刺激になりました。
また、素早さを追求したアジャイル開発という手法で、ドキュメントレスで進めようとしていたのですが、そこがトラブルの元になることがありました。途中からドキュメントが必要だと判断し、開発リーダーという立場を逸脱して、自らプロジェクト全体の標準ルールを決めていきました。初めての開発ツールを使ったことで、ルールなども定まっていないというのはなかなか難しいチャレンジでした。

渡辺 私が関わっているシステムは「現行を踏襲する」ということは決まっていました。私たちアプリケーション開発者は要件がしっかりと決まった状態で着手する予定だったのですが、あいまいな部分があり、着手後に要件が変わることが多く苦労しました。
また、このプロジェクトでは、ユーザーインタフェース(以下、UI)は協力会社が担当しています。UIの仕様を管理しているドキュメントを変更する際、関係者間の情報共有ができていないことがあり……。その体制のままでは混乱するので、修正した部分が明確にわかるように修正一覧を管理して、漏れのない対応をしていきましょう、といった提案をしていきました。

サービスイン後の高評価や後輩の成長がやりがいに

――そんな苦労の中、どんなときに仕事のやりがいを感じますか。

吉原 現在のプロジェクトの前に、もう少しコンパクトなプロジェクトを担当しました。私自身、お客様との要件調整から参画し、サービスインまで見届けたのは初めて。上流から下流までを見られたと共に、お客様からの評判もよく、大きな喜びを感じました。
うまくいったポイントは、役割分担がはっきりしていたこと。役割があいまいだと、誰が担当するのかわからず課題が抜け落ちてしまいますが、明確になっていたことでお互いにフォローし合いながら進められました。

渡辺 私も、長期に関わったプロジェクトのサービスイン時に感動を覚えました。契約件数が少ない、特殊な保険商品を多数扱う「少量多品種」のシステムで、商品が増えるごとに第2期、第3期と追加開発をしていくものです。第3期ではSS〜STの開発期間だけでも1年かかりました。ひととおりの工程を経験した初めてのプロジェクトだったと共に、他部署の先輩方が要件定義をしていく様子も見られて、視野が広がりました。
また、今のプロジェクトでは、もうひとりの同期と新入社員3人の計5人でチームを組んでおり、新人育成という役割も担っています。教えたことをすぐにのみ込み、目に見えて成長していってくれているのは非常に嬉しいです。
チームでは管理的な立場を担当していていて、上司との情報共有や他部署との交渉、全体のスケジュール策定などをしています。これまでは開発をしてきましたが、「交渉」の大切さと重大さを実感しています。また、交渉や管理が自分に向いているとも感じています。簡単ではないですが、頑張りどころです。

「自分らしく」働くために環境や人、社風が大切

――就職活動の際の志と、入社の決め手を教えてください。

吉原 大学ではスポーツ科学を研究していましたが、それとは関係なく、さまざまな業種を受けました。ただ、家族にIT業界で働いている人が多く、必然と興味がわき、徐々にIT業界中心に。いくつか内定をいただいたなかでも、入社の決め手は「人」です。面接や採用担当の雰囲気から、社員を大切にしている会社だなと感じたのです。また、スポーツをしていたこともあり、チームで助け合い切磋琢磨していく様子が魅力的に感じました。

渡辺 私も、大学時代の化学系の研究と直接関連するものではありませんでしたが、就活を進めるうちに「ものづくり」に興味がわき、「ITエンジニア」が心に響いてきました。ただ、ITエンジニアを目指すにも、いろいろな業態があります。親会社を持たない独立系や、コンピューターメーカーを親会社に持つメーカー系なども受けましたが、私には「過酷」に見えて……。徐々に、銀行や保険会社を親会社に持つユーザー系に絞っていきました。
入社してみるとイメージとのギャップはほぼなく、多摩センターという静かな環境、自社ビルのオフィス、同じ場所で長く働くことができる、と落ち着いて仕事ができています。

吉原 同業他社と比べると、非常に労働環境が良いと思います。サービスインの直前には残業や休日出勤もありますが、それはよほどの場合。通常は、「焦って詰め込んで失敗したり、質が落ちたりするリスクを考えたら、交渉して期限を延ばしてもらうほうがいい」と言ってくれる上司が多いです。

海外を見据えたキャリア設計社費で語学留学も

――今後のビジョンや目標を教えてください。

吉原 弊社では、6種類のキャリアモデルが用意されており、私は将来的に海外人材として活躍したいと考えています。東京海上日動の海外拠点で、現地の協力会社と一緒にシステムを担う役割です。海外人材として働いている先輩の海外報告や、先輩との座談会を通じて強い憧れを感じました。
昨年、人事部が提供してくれた語学留学に参加し、イギリスで3週間ホームステイをしながら語学を学びました。そこでさらに、海外への思いを強めたんです。

渡辺 吉原さんの留学報告を受けて、あまりに楽しそうだったので私も語学留学を希望したんです(笑)。今年の2月から行かせていただくことになっています。今は、海外人材を目指していきたいと考えています。

 

――理系出身の学生に、キャリアを見据えたアドバイスはありますか?

吉原 大学で学んだスキル自体は、キャリアにそれほど関係がないと思っています。プログラミング経験があるとスタート時には有利でしょうが、どんどん最新技術が出てくるので適応しなくてはなりません。どちらかというと、好奇心を持ってアンテナを張れる人が活躍できるのではないでしょうか。

渡辺 そういう意味で、理系出身はひとつのテーマに対する探究心が強く、さまざまな角度から分析する力を持っていますよね。IT系とはいえ、必要なのは技術だけではないですから。自分の強みを活かして多角的にアプローチをかけられるという意味で、理系は有利だと思います。

吉原 IT系にもいろいろあります。当社なら、開発部門と基盤部門に大きく分かれています。基盤系は技術よりですが、開発部門はお客様のニーズを引き出したり、協力会社と一緒にプロジェクトを進めたりするので、コミュニケーションスキルも必要となります。さまざまな強みが活かせるので、視野を狭めず挑んでもらいたいです。

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