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2016/1/8 UP

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”三次元的思考力“と”地道な姿勢“──若手コンサルタントが語る”理系らしさ”の活かし方

「企業のお医者さん」と例えられることもある、経営コンサルタント。クライアント企業の抱える経営課題を分析し、ソリューションを提案・実行していく仕事だ。業界全体では外資系コンサルティングファームが多数存在する中、日本発のファームとして存在感を示す企業がある。1981年に創業してから30年以上業績を伸ばし続けている、アビームコンサルティング株式会社だ。現在では所属するコンサルタントが4000人を越え、総合コンサルティングファームとして、日系大手のグローバルコンサルティング会社となった同社。近年、経済のグローバル化が急速に進む中、日本企業の多くは世界市場で勝ち抜くことを目的とした経営の革新に迫られている。アビームコンサルティングはそのような企業に対し、アジアを中心とした32カ国67拠点に広がる連携パートナーとの海外ネットワークを通じ、各国や地域に即したコンサルティングサービスを提供している。日系大手のグローバルコンサルティング会社で働く、理系学部出身である若手社員の二人に、仕事内容とやりがい、そして“コンサルティングと理系の親和性”について、お話を伺った。


[ PROFILE ]

奥田直人(おくだ・なおと)
1986年生まれ。2011年、早稲田大学先進理工学研究科を卒業し、アビームコンサルティング株式会社へ入社。大手総合商社における基幹システム再構築支援や、BPR(ビジネスプロセス・リエンジニアリング)検討支援などの業務に携わる。

水野有梨(みずの・ゆり)
1987年生まれ。2012年、京都大学理学部理学科を卒業し、アビームコンサルティング株式会社へ入社。大手電子機器メーカーの保守運用プロジェクトや大手建材メーカーの業務・システム刷新プロジェクトに携わる。


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敷かれたレールは歩かない、自ら穴を掘って道を作る

――お二人は入社から現在までどのようなお仕事をされてきたのでしょうか。

水野有梨さん(以下、水野) 「私は建材メーカーで業務改革とそれに伴うシステム導入のプロジェクトに参画しています。クライアント企業の社員へのインタビューや各種データの調査をしながら、クライアント企業の管理部門の方々と日々ミーティングをして、最終的には経営層に改善点を盛り込んだ報告書を提出します。入社当時は大手電子機器メーカーのシステム刷新プロジェクトに参画していました。」

奥田直人さん(以下、奥田) 大手総合商社のシステム部門で、既存業務の構造を抜本的に改善する業務や基幹システムを構築する仕事に携わっています。現在入社から5年目で、チームリーダーとして、ゼロの状態からスケジュールや作業を整理しプロジェクトを推進しています。複数のプロジェクトを経験している同期もいますが、私は同じクライアントに5年従事していることで、業務内容や私に期待される役割も変化し、同期とは異なる形での成長を実感しています。

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――仕事のやりがいを感じるのはどのような時でしょうか。

奥田 「毎日クライアントとの打ち合わせがあるのですが、そのすべてが発表であり、私達にとっての評価の場です。一緒に仕事をする方が部長・課長クラスの優秀な方々なので、クライアントの要求に応えられると達成感がありますね。また、自分の戦略とその後の実証が合致したときの気持ちよさは、何にも代えがたいです。これは、仮説と実験を繰り返していた学生時代の研究と、似通っている部分があるなと感じています。」

水野 「『どうしても解決策が見当たらない……』と悩んでいたクライアントに、私のアイデアが『よくこんな解決策を思いついたね!』と受け入れてもらえると、すごく嬉しいです。それぞれの企業で文化や求めることがまったく異なってくるので、毎回ゼロからのスタートになります。仕事の仕方としては、敷かれたレールを歩くのではなく、自ら穴を掘って道を作っていくイメージです。穴がどこに抜けるかわからない面白さと、抜けた時の美しい景色を楽しめれば、やりがいは至るところに転がっています。」

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――仕事上で特別必要なスキルはありますか。

奥田 「頭で考えるだけではなく、伝える力が必要です。どれだけ素晴らしいアイデアがあっても、相手に伝わらないと意味がない。伝え方ももちろん大切ですが、まずは誰に伝えて、その次に誰を動かすか……そういった戦略や戦術も必要です。」

水野 「そうですね。アビームのコンサルティングスタイルを大学の研究に例えるなら、実験の発表をして終わりにするのではなく『実験がどう実用化されていくのか』まで責任を持って対応することです。企業変革の舵取りをしながら、成長の過程を目の当たりにできるのは、この仕事の醍醐味だと思います。」

理系的な思考力が、日々の業務に活きている

――コンサルティングの仕事は、理系学生にとって慣れ親しみやすいものでしょうか。
奥田 「大学での研究と似ている部分もありますが、成果や実績を実感できるまでの期間がまったく違いますね。私は少しせっかちな性格なので、「何年もかけてひとつの仮説に向かう実験生活よりも、日々成果を実感できる仕事の方が向いている」と考えて、コンサルティングファームに就職しました。」

水野 「研究職と違って、色々な分野の人と関われるのもこの仕事の魅力です。私は色々な世界を見てみたいと思っていたので、幅広い業種と関われるこの会社を就職先に選びました。幅広く、多くのことに挑戦したい人は、コンサルタントの仕事に向いている気がします。」

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――大学時代にはどのような研究をしていたのか教えてください。

奥田 「私は生命医学の分野で、人工赤血球を作る研究室に所属していました。輸血に使われる血液の保存期間は、採血してから2週間だけです。人工赤血球ができれば、採血した血液よりも長持ちする代替血液を作れるようになります。実用化が進めば多くの人の命を救う可能性を秘めている技術を研究していました。」

水野 「私は地質学を専攻して、地震の発生メカニズムについて勉強していました。地震を研究する上で重要な南海トラフという地域の土を採取して、断層で何が起こっているのかを調べていました。この研究が進めば、地震の予知が正確にできるかもしれません。」

――大学時代の勉強が仕事に活きていると実感したことはありますか。

水野 「直接的に実感したことはないですが、一緒に仕事をした理系学部出身の先輩から『理系は三次元的な思考ができる』と言われて納得したことがあります。理系出身だと、何か物事を提示された時に『それは本当なのか?』『何を根拠にそう言っているのか?』と無意識に考えるクセがついていると思います。物事を多角的に捉える力はどのような業種でも必要だと思いますが、特にコンサルタントにとっては重要な能力と言えます。」

奥田 「私も彼女の考え方に共感します。コンサルタントとして日々働く中で、クライアントとの摩擦を避けるために、チームの方針が安易な答えに落ち着いてしまうことが、時々あります。その時、私はいつも『それでいいのか』『ファクトベースで進めるとこうするべきじゃないか』とストッパーになろうと意識しています。もしかすると、これも理系らしい“三次元的な思考”が役に立っているのかもしれません。」

学生時代の経験は、すべて活かせる可能性がある

――これから社会に出ていく理系の学生は、会社からどのような素養が求められると思いますか。
水野 「分野を問わず重要なのは、学んだことを活かせるかどうか。私は大学時代、地震のメカニズムの他に、チンパンジーの家族構成についても研究していました。入社当時は、これらの知識は全然役に立たなくって……正直、時間を無駄にしたなって感じていました。しかし、仕事に取り組む日々の中で、ふと気付きました。学んだ内容だけではなく『これまでどうやって学んだか』という思考フレームワークは、色々な場面で応用できるはずだと。」

奥田 「学生時代それなりに勉強していれば、自分の中に『勉強の仕方』や『知識の深め方』が身に付いているはずです。一方で、別の視点からアドバイスをすると、これまで身に付けた知識や経験に固執し過ぎないことも重要です。『自分はこんな力を持っているから、こういうことをやりたい』と考えて、ひとつの方向に固執してしまうと、想定外の状況に陥った場合に軌道修正できなくなります。様々な価値観や知識を柔軟に受け入れていく姿勢は、ビジネスマンとして常に求められることだと感じています。」

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水野 「当時は意識していなかったのに、後から役に立つことはたくさんあります。思い返してみると、部活動でオーケストラをやっていた経験も、現在の仕事での納期感覚を養うのに役立っている気がします。そこでは、年に数回の部内発表会の成績でレギュラーを決めていきます。その発表会の日から逆算して自分の演奏を仕上げていく過程は、納期を意識して仕事を進めていく今の仕事に近いものを感じています。」

奥田 「それは面白い視点ですね。学生時代のどのような経験も視点を変えることで、必ず仕事に活かせる気がします。」

――最後に、未来ある理系学生にアドバイスをお願いします。

奥田 「学生のうちから『将来のために何かしなきゃ』と考えすぎない、思いつめないようにして欲しいと思います。何が役に立つかなんて、その時が来てみないとわかりません。思ってもみないことが、仕事に生きてくることも数多くあります。学生生活では、目の前にあるやるべきことに、精一杯打ち込んでください。ひとつずつ地道に成果を出すことで、結果的に遠くを見通せるようになるはずです。」

水野 「理系の方々にアドバイスをするとしたら、積極的に外の世界に出ていくことをオススメしたいです。研究室にこもってしまうと付き合う人が限られて、気付かないうちに視野が狭くなってしまいます。アルバイトでも課外活動でもいいので、学校の外でつながりを積極的に作ってみてください。とりわけ社会人の方々と話す機会が増えると、社会のことを広く知ることができるので、『理系=研究職』といった固定観念を取り払うきっかけになるかもしれません。視野は広ければ広いほど、将来の選択肢は多ければ多いほど、良いと思います。」
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